「サントリー 天然水の森」へ、いってきた。
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「サントリー 天然水の森」へ、いってきた。

森に、あう。 -サントリー 天然水の森-

ドサーーザザーーっ

「おおお、大丈夫か」

師匠が驚いた顔をして振り返る。

こんなご時世のため、ずっと行けていなかった念願の天然水の森への訪問。

終盤に差し掛かった、その時、しっかりと森の洗礼を受けた。

大きな岩を降るときに足を滑らせて、まるで滑り台かのように落ちた。
長時間足元が不安定な森の中を歩いていたものだから、わたしの足はもう踏ん張れなくなっていた。

大丈夫です、なんて言いながら、わたしのおしりは泣いていた。奇跡的にあざはできなかったのですが。

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一方で、一緒に森に入った林業の方の足取りは軽かった。
最適な足場を判断して、スイスイと登り降りしていた。
普段から森に入り、日々向き合っていることがステップから感じ取れた。

だから、最後の方は、わたしは金魚のフンのように、その人の後ろにピタリとついて、足場をたどっていました。

この日は、森の現状把握と今後の方針を話し合うために、師匠をはじめとする関係者が森を訪問する日。
わたしは、それらを見学させてもらいながら、森を感じにいってきました。

なので、今回は、森での発見をダイジェスト的にお送りしようかなと思います。
それでは、どうぞ。

1、シカの食べ尽くし技

以前noteで、増えすぎたシカがとにかく草や樹の皮を食べ尽くしてしまって、大変だという内容の記事を書きましたが(読んでいない人は是非、読んでね)、それがまさにこの森の中でも起きていました。

森に入って数分後に発見した、シカの食べ尽くしゾーン。

季節こそ異なりますが、本来はこんな姿の「タマアジサイ」が・・・

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こちら。

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シカが花や葉を食べ尽くし、ヒョロヒョロの枝になっていました。

「食べ尽くす」とは聞いていたけれど、こんなにきれいに食べ尽くすんかい。
葉っぱ一枚もないじゃん。すごいな。

プレートが役割果たせていないし、心なしか寂しそうだし。

しかも。

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「ほら、これはさ、背丈が少し高くて上の方の葉っぱが食べられないから、枝を折って食べたんだよ。」

師匠が足をとめ、説明してくれる。たしかに、ヒョロヒョロの枝がぽきっと折れていた。
好きな葉っぱが高いところにあれば、そうまでして食べ尽くす。
恐るべし、シカさん。
シカも生きるためだ、仕方ないとはわかっていても、シカが好む植物は見事に食べ尽くされ、嫌いな植物だけが残る異様な光景に驚きました。

2、シカさん、立ち入り禁止よ

今回の森訪問の大本命、「鹿柵」。

ここまでお話ししてきたように、シカの食べ尽くし問題がとても深刻なので、サントリーでは「鹿柵」を設けて、シカが入れない区域を作っています。

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中央にあるのが、柵。
奥の方(柵内)に植物が生い茂っていて、手前(柵外)にはまったく生えていないのがわかりますよね。

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柵内には、シカが好んで真っ先に食べてしまうような植物やきのこなど珍しいものがあったりして、師匠のトークが止まらない、止まらない。

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そして、師匠たちは、次はどこに鹿柵を設置しようか、と見回って、相談しながら、決めていました。
特別に、師匠たちのはたらく姿をお見せしましょう。

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あ、ちなみに、最初にご紹介した「鹿の食べつくしゾーン」のアジサイたちも柵で守られることになりました。

「いま囲っておけば、まだ間に合うから。」と、師匠。

どうやら、この森からアジサイがなくなることはなさそうです。
良かった、良かった。

3、「間」をつくる時の一工夫

前回、「間(ま)を見極める」という記事で、「間伐」について取り上げました。

そこでは詳しく書けていないのですが、その「間伐」にはとある一工夫が肝となるようです。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、樹が等高線状に倒されています。
この「等高線状に倒す」ことが、大切なんです。

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こうすることで伐られた樹が滑り落ちにくく、さらに土壌流出も防ぐことができ、その上、広葉樹の種の止まり木にもなって、緑の再生を促す効果もあるらしい。
だから、単純に「間」をつくる、だけでなく、その後のことも考えて、等高線状に倒れるように計算して樹を伐っているのです。

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ここはサントリー管轄の場所ではないのですが、等高線状に樹を伐らないと、このようになります。今にも伐った樹が落ちてきそうですし、剥き出しになった土が雨などで流れてきそうです。

4、いのちめぐる

伐った樹は、出来れば運び出して活用したいところですが、この森のように急斜面で作業道を作るのが難しく、運び出すのが困難な場合には、そのまま寝かしたままになります。

すると、どうなるか。

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この切り株。
左側が少し崩れていますが、菌や微生物の栄養となって、長い年月をかけてゆっくりゆっくり分解されていきます。

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手で取れるくらいホロホロになります。

森の木を伐って寝かせておくことを、林業用語で「切り捨て」っていうらしいんですが、
無駄に「捨て」られたのではなく、長い時間をかけて、こんなふうに森の栄養になっていく。
いのちがめぐっていることを体感しました。

5、家で森を感じる

森を訪れたのは、10月末。ミズナラの種(いわゆるどんぐり)がたくさん落ちていました。
だからわたしは、そのどんぐりを拾ってきまして、植えてみています。

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きちんと育ってくれるか、まだわからないのですが、来年あたりにご報告したいと思います。

そして、鹿柵内に生えていたきのこ、「ハナイグチ」の赤ちゃん。

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もう旬は過ぎていたので、あまり残っていなかったのですが、今回一緒に森に行った、デザイナーさん(「サントリー 天然水の森」公式サイトのデザインを担当している素敵な方)は、このきのこを持ち帰って食べたらしいです。

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ねっとりした感触で、複雑な味わいがしておいしかったそう。
きのこはもちろん猛毒のものもあるので注意が必要ですが、普段見ることが少ない、天然のきのこもおもしろいですよね。

次、わたしも発見したら、持って帰ってみようと決めました。

・・・って書いたら、
「きのこは難しいんだから、専門家が鑑定したもの以外は、絶対に持ち帰っちゃダメ」
って師匠に怒られました。
みなさんも気をつけましょう。

余談

6時間ほど、森の中にいたので、おもしろ発見はもっとあったのですが、今回はその一部を紹介させていただきました。
気になる項目はありましたか?

また機会があったら、もっともっとお話ししたいと思います。

とってもどうでもいいお話しですが、

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こんなきれいな渓流沿いで、お昼ごはんを食べました。
森の中で食べるおにぎりは絶品だな〜なんて思っていたら、師匠の方からビニールが破かれる音がして、
目線をやると「森の中では、甘いものが欲しくなるんだよ。」と言いながら、どら焼きを食べていました。
たしかに、とても甘いものが欲しくなったので、うらやましかったなぁ。

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この森訪問のために、マウンテンパーカーを新調したのですが、師匠とシミラールックみたいになっていました。帽子はベージュ(?)で、マウンテンパーカーはチョコ色。
わたしもズボンをベージュにすれば、よかったな。

こんなゆるい感じで、今回の「サントリー 天然水の森」訪問日記は終わります。

ここに載せていない森の様子は、公式サイトに書いています。
シカに食べ尽くされていた、3種類のアジサイもあるので、よかったら覗いてみてください。

ここまで見てくださった、あなた。
ありがとうございました!
明日、そんなあなたがいいきのこに出会えますように。

森に、あう。 -サントリー 天然水の森-
ひょんなことから、「サントリー 天然水の森」のWebサイトを制作することになった"わたし"が、サイトでは伝えきれなかった森の魅力やそこで出会った興味深い人たちについて、好きに語っていくnoteです。 https://www.suntory.co.jp/eco/forest/