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みんなの「#未来に残したい風景」

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2021年12月から2022年1月にかけて開催した投稿コンテスト「#未来に残したい風景」最終選考作品を集めました。
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わたしの#未来に残したい風景

これまで何度も登場している、うんちくおじさん。 「サントリー 天然水の森」の活動を始めた、山田健さん(森の師匠)のこと。 森などの知識量や熱量が尋常でないが故、話が止まらない、止まらない。 1時間で終わるはずの会議が、2時間、3時間となることもある。 だから、わたしは「うんちくおじさん」と呼んでいる。(失礼) ちょっと待てよ、と。 よくよく考えたら、わが家にもいるじゃん、うんちくおじさん。 そう、父です。 前回の記事で突然の登場した、コピーライターの父。 森の師匠に

【感動】みなさんの「未来に残したい風景」を読んで

こんにちは。 年末から開催している「#未来に残したい風景」をお題とした投稿コンテスト。 中盤に差し迫って参りました。 ご参加いただいているみなさま、ありがとうございます。 ちょっと難しいお題でもあるので、 集まるのかな〜大丈夫かな〜 なんて、心配しておりましたが・・・。 年末年始は実家に帰りまして、 こたつの中に入り、ひたすらnote。時々みかん。時々駅伝。 おかげさまで、note漬けの時間を過ごしていました。 いや〜、いろいろな考え、価値観、知識があって面白いです

小説:血の涙たちよ、いま踊れ

「こんな景色なんて」と呟いた僕は、忌々しく積もった雪にスコップを突き立てた。 必要以上に冷たい空気が気管支を締め付ける。 風景はあまりに白かった。 「まだ10分の1だよ」と、白が嘲っていた。 「あと10年だな」と、晩秋に祖父が言った。 「あと10年もしたら、ここいらは終わりだ。ヤスケの家も、マゴシロウの家も、誰も継がねぇ。みんな出て行った」 「はぁ」と僕は言った。 ヤスケ? マゴシロウってどこの家だ? 「仕方ねぇな。時代だもの」 10年、と僕は思った。 そんな未来の話をして

田んぼに水が入った時だけ見られる 残雪の北アルプスの山々を写す水鏡

田んぼに水が入り、晴れて山が見えて、風も無い、と言う条件が重ならないと見ることができない景色。水鏡となった田んぼに残雪の北アルプスが写るこの時期は、天候に合わせて絶景を追いかける日々です。

ばあちゃんの畑

喉が渇いた。 「ばあちゃん、なんかない?」 そういうと、 「トマトが冷えとるよ」 と返ってきた。 ✴︎✴︎✴︎ ばあちゃんは田舎で一人で野菜や米を作って暮らしている。 人生のほとんどを農業をしながら暮らしていて、我が家はお米を買ったことがない。じいちゃんとばあちゃんがずっと作ってきたお米で育ったからだ。 お米だけでなく、畑で季節ごとにたくさんの野菜を育ててはわたしたち家族に食べさせてくれる。子どもの頃からその光景が当たり前で、玉ねぎやさつまいもといった長期保存

水田のある風景がわたしにくれるもの

広島県東広島市は、「酒の都」と呼ばれています。 市の中心部に位置する西条駅周辺には、酒蔵通りという名称の一角があり、長い歴史を持つ七つの蔵元が立ち並んでいます。それら蔵元では、伝統の技を用いた酒造りが今でも行われています。 また、毎年秋には「酒まつり」という日本酒にまつわるイベントも開催されています。 *一昨年、去年は、オンラインの形で行われました。 日本酒の名産地であるということは、美味しいお米の産地でもあるということです。 市街地から少し車を走らせるだけで、盆地に見渡

名前のない風景

普通の町には、名前のない風景がある。 観光名所でも史跡でもない、 日常にふと現れたなんてことのない風景。 冬空の下の立ち枯れた葦の平原。 春の休耕田を染めるレンゲの花畑。 私が好きな風景は、夏の早朝に出現する幻の雲。 田んぼの水が朝日に暖められて蒸発し、一瞬だけ雲海が見られる。 父から教わった秘密の風景だ。 あぜ道にはアザミの花。 あ、たんぽぽだ。思わずしゃがむ。みつばちになった気分。 瑠璃色の露草は、すぐしぼんでしまう。早朝散歩のご褒美。 芝生にはネジ

風景をつくる手仕事

ほとんどの日本人がそうだと思うけれど、棚田が好きです。 私が育った場所では大きな川沿いにどこまでもまっすぐな車の通れる農道が続いていて、両側には一面に田んぼが続いていました。秋の台風のシーズンにはたまに、あふれそうになった川から越流堤を越えて流れてきた泥水をためる遊水池としての役割も果たしていた大きな田んぼは多分、そう古くない時代に整備された農地で、春から秋にかけてトラクターやコンバインが活躍していました。春には水が張られて田植えの頃には初夏の青空を写し、緑色の稲がいつしか

お米、こんなところで育ってます。

2022年の3月で、私がたけもと農場に就職してから2年が経ちます。(インターン期間を含めると4年半…!) まだ短いような。でも長いような。 農場で働く日々の中、私の癒しとなっているのが農場の周りの風景です。 田んぼと山と空。 遮るものがなく、目の前にドンッと広がっている感じ。 何が、どんな風に、と言葉では伝えきれないのですが、、、 とにかく大好きで、ずっとこのままであってほしいなぁと思う場所です。 農場の様子をお伝えするのに、時々InstagramやFacebookに載

水が生まれる環境ごと守り続けるウイスキー造り - サントリー

日本初の国産ウイスキーを生み出し、高い技術と実績を重ねるサントリー。 創業者が信念を持ってチャレンジと創意工夫を繰り返し、日本人の口に合う洋酒造りにかけた情熱とこだわりの精神は、今も私たちに上質なウイスキーを届けてくれています。 立て続けに金賞を受賞し、その確かな品質が世界で通用することを証明したジャパニーズウイスキーは、人気のあまり現在では原酒不足の影響で有名銘柄が次々と販売休止になるほど。 日本国内に2ヶ所あるサントリーのウイスキー蒸溜所を訪れ、そこで感じた豊かな環

ただいま。

駅から徒歩5分。自然豊かな自然、集う生き物たち。 そしてたくさんの笑い声。 水、木々、生物、人。 すべてがバランスよく共存しているそんな場所。 子供の頃から変わらぬ光景。 いつでもここは笑顔に溢れている。 変わらぬ穏やで優しい空気にほっと心が解き放たれる。 私にとってここは「ただいまの街」 いつまでもこの光景が続きますように。 そしてここで過ごした子供たちが、大人になったとき、 また同じようにそんなことを思ってくれたら嬉しいなと思う。

未来に残したい風景に寄せて

生まれも育ちもほぼ東京。父の会社の社宅で育った私は本当に少しの風景しか思い出せない。 場所は渋谷区広尾。 いまでこそ高級住宅街としてその名を轟かせているが、私が見てきた広尾は、森などの緑に恵まれたまだまだ未開の地だった。 ※ 生まれ落ちた病院は日赤医療センター。病院の裏手には広い空き地があり、幼い私にはジャングルといえるほどの探検しがいがあった。夏休みになるとそこでオニヤンマを追いかけ、突然現れる殿様バッタにびっくりさせられていた。 ※ 虫にロマンを感じ、緑に憩いを

藩主の末裔が営む屋敷のお正月【準備編】

柳川は青空が広がり、冬の柔らかな日差しが差し込む天気の良いお正月を迎えることができました。 御花では12月初めごろからコツコツとお正月の準備が始まります。 お正月は「年神様(としがみさま)」と言われる豊作や健康をもたらす神様をお迎えする大切な節目。そのため行事や様々な習わしが生まれました。 旧大名家である立花家が営む御花では、どのような準備を行うのか紹介したいと思います! しめ縄づくり しめ縄は、神様が降りた神聖な場所を示すもの。不浄な者や悪霊は入れないとされていて、

シシ狩り

 犬たちは、林の中に分け入って、「どこか遠くへ行ってしまったか?」と不安になった頃、ガサガサと音を立てて1頭、また1頭と猟師の元に帰ってくる。  「この山に必ず獲物がいる。」猟師の確信を裏付けるように、しばらく付かず離れず山道を進んでいた犬たちは、猪の気配を嗅ぎつけたのか一斉に獣道へと走り込んでいった。  向山日当、椎葉博さんのシシ狩りに同行する。猟師単独での吠え止め猟。数頭の犬が猪を取り囲み、吠え、1箇所に止めているところを猟師が銃で仕留める猟だ。  犬たちは、猪や鹿