森に、あう。 -サントリー 天然水の森-

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森に、あう。 -サントリー 天然水の森-

ひょんなことから、「サントリー 天然水の森」のWebサイトを制作することになった"わたし"が、サイトでは伝えきれなかった森の魅力やそこで出会った興味深い人たちについて、好きに語っていくnoteです。 https://www.suntory.co.jp/eco/forest/

マガジン

  • あの日、天然水の森で。

    2003年から始まった「サントリー天然水の森」の活動。実は、このnoteを担当している”わたし”の父もコピーライターとしてこの活動に携わらせてもらっています。そして、時々師匠と一緒に森に入っては、森の小さな小さな営みをエッセイで綴ったり、ムービーカメラマンの映像のコトバをつけたりしてきました。今も昔も、変わらず森には生命がめぐっています。それらをすこし前の記録から感じてみましょう。

  • みんなの「#未来に残したい風景」

    2021年12月から2022年1月にかけて開催した投稿コンテスト「#未来に残したい風景」最終選考作品を集めました。

記事一覧

キノコのことだけを考えるnote。スーパーに並ぶキノコとお店でしか出ない高級キノコは何がちがう?

「おいしいキノコ料理専門店があるから旬になったら行こう。」 わたしの森の師匠と「なぜ土はふかふかしているの?目に見えない土の中のはたらきものたちの話」の記事に…

樹に会う:ブナには 冬が よく似合う/あの日、天然水の森で。

晩春の芽吹きの頃も 初夏の新緑の頃も 盛夏の深緑の頃も 涼秋の黄葉の頃も みずみずしく はればれとして つややかで たおやかで ブナは 素敵です ですが ブナは な…

樹に会う:冬赤/あの日、天然水の森で。

「冬青」と書いて、ソヨゴ。 文字通り、冬にも青々とした葉を身にまとう、その木は、冬には鮮やかな赤い実で身を飾り、いっそう艶やかな姿を見せてくれます。 冬にも青々…

花に会う:人字草・ジンジソウ/あの日、天然水の森で。

「サントリー天然水の森 南アルプス」。 渓流沿いの岩肌に、人、という字に咲く花を見つけました。5つある花弁。 その内の2つを、まさに人という字のようにスッと伸ばす、…

教えに会う:草という名前の草はないのですね、先生。/あの日、天然水の森で。

「これは面白い。ここにカンスゲ(寒菅)があって、すぐそばに、コカンスゲ(小寒菅)がある」。 「サントリー天然水の森 奥多摩」の植生調査に同行した時に聞いた、東京…

花に会う:リンドウ/あの日、天然水の森で。

サントリー「天然水の森 丹沢」を訪れた時に出会った花を、3つご紹介します。リンドウと、その仲間たちです。 いずれも、かつては、野山でふつうに見られた花です。 でも…

キノコのことだけを考えるnote。スーパーに並ぶキノコとお店でしか出ない高級キノコは何がちがう?

キノコのことだけを考えるnote。スーパーに並ぶキノコとお店でしか出ない高級キノコは何がちがう?

「おいしいキノコ料理専門店があるから旬になったら行こう。」

わたしの森の師匠と「なぜ土はふかふかしているの?目に見えない土の中のはたらきものたちの話」の記事について意見をもらっているとき、師匠が不意にこんなことを言っていた。

↓この記事。

この記事の中にキノコの話が出てくるから、そんな話になったのだと思う。
その時は3月か4月。まだキノコの旬ではないので、へ〜そんなお店あるんだ!くらいで

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樹に会う:ブナには 冬が よく似合う/あの日、天然水の森で。

樹に会う:ブナには 冬が よく似合う/あの日、天然水の森で。

晩春の芽吹きの頃も 初夏の新緑の頃も
盛夏の深緑の頃も 涼秋の黄葉の頃も
みずみずしく はればれとして
つややかで たおやかで ブナは 素敵です ですが
ブナは なんといっても 冬 だと 思うのです

雪の重みに耐えかねて 枝が折れてしまうこともしばしば
それでも しっかり生きている証拠を見せてくれる その姿は
威厳にあふれ 神々しくすらあります
ブナには 冬が よく似合う と思うのです

201

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樹に会う:冬赤/あの日、天然水の森で。

樹に会う:冬赤/あの日、天然水の森で。

「冬青」と書いて、ソヨゴ。
文字通り、冬にも青々とした葉を身にまとう、その木は、冬には鮮やかな赤い実で身を飾り、いっそう艶やかな姿を見せてくれます。

冬にも青々とした葉は染料になり、純白の糸を、葉色からは想像もつかない、鴇の羽色の淡い紅に染め上げるのだそうです。
そうと知ると、都会の庭先にも植えられ、森の中でもけっして珍しくはないこの木のことが、いっそう、愛おしく思えてもきます。

さて。冬青の

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花に会う:人字草・ジンジソウ/あの日、天然水の森で。

花に会う:人字草・ジンジソウ/あの日、天然水の森で。

「サントリー天然水の森 南アルプス」。
渓流沿いの岩肌に、人、という字に咲く花を見つけました。5つある花弁。
その内の2つを、まさに人という字のようにスッと伸ばす、とても印象的な花でした。

2010.10|サントリー天然水の森 南アルプス

教えに会う:草という名前の草はないのですね、先生。/あの日、天然水の森で。

教えに会う:草という名前の草はないのですね、先生。/あの日、天然水の森で。

「これは面白い。ここにカンスゲ(寒菅)があって、すぐそばに、コカンスゲ(小寒菅)がある」。

「サントリー天然水の森 奥多摩」の植生調査に同行した時に聞いた、東京農業大学・中村幸人(なかむらゆきと)教授の言葉です。

カンスゲ。

コカンスゲ。

確かに、同じようで、明らかに違います。

教えてもらえなければ、そうじっくりと見つめることはなかったでしょう。考えてみれば、名前を付けるということは、そ

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花に会う:リンドウ/あの日、天然水の森で。

花に会う:リンドウ/あの日、天然水の森で。

サントリー「天然水の森 丹沢」を訪れた時に出会った花を、3つご紹介します。リンドウと、その仲間たちです。
いずれも、かつては、野山でふつうに見られた花です。
でも今回、出会えたのは植生保護柵の中。ほんの少し前まで当たり前だったことが、今はそうでないことを、花が、改めて教えてくれた思いがしました。

●リンドウ(竜胆)
秋を迎える頃には、街の花屋さんの軒先に鉢植えが並べられ、美しい姿を間近にできます

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