森に、あう。 -サントリー 天然水の森-
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樹に会う:ブナには 冬が よく似合う/あの日、天然水の森で。
晩春の芽吹きの頃も 初夏の新緑の頃も
盛夏の深緑の頃も 涼秋の黄葉の頃も
みずみずしく はればれとして
つややかで たおやかで ブナは 素敵です ですが
ブナは なんといっても 冬 だと 思うのです
雪の重みに耐えかねて 枝が折れてしまうこともしばしば
それでも しっかり生きている証拠を見せてくれる その姿は
威厳にあふれ 神々しくすらあります
ブナには 冬が よく似合う と思うのです
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樹に会う:冬赤/あの日、天然水の森で。
「冬青」と書いて、ソヨゴ。
文字通り、冬にも青々とした葉を身にまとう、その木は、冬には鮮やかな赤い実で身を飾り、いっそう艶やかな姿を見せてくれます。
冬にも青々とした葉は染料になり、純白の糸を、葉色からは想像もつかない、鴇の羽色の淡い紅に染め上げるのだそうです。
そうと知ると、都会の庭先にも植えられ、森の中でもけっして珍しくはないこの木のことが、いっそう、愛おしく思えてもきます。
さて。冬青の
花に会う:人字草・ジンジソウ/あの日、天然水の森で。
「サントリー天然水の森 南アルプス」。
渓流沿いの岩肌に、人、という字に咲く花を見つけました。5つある花弁。
その内の2つを、まさに人という字のようにスッと伸ばす、とても印象的な花でした。
2010.10|サントリー天然水の森 南アルプス
教えに会う:草という名前の草はないのですね、先生。/あの日、天然水の森で。
「これは面白い。ここにカンスゲ(寒菅)があって、すぐそばに、コカンスゲ(小寒菅)がある」。
「サントリー天然水の森 奥多摩」の植生調査に同行した時に聞いた、東京農業大学・中村幸人(なかむらゆきと)教授の言葉です。
カンスゲ。
コカンスゲ。
確かに、同じようで、明らかに違います。
教えてもらえなければ、そうじっくりと見つめることはなかったでしょう。考えてみれば、名前を付けるということは、そ
花に会う:リンドウ/あの日、天然水の森で。
サントリー「天然水の森 丹沢」を訪れた時に出会った花を、3つご紹介します。リンドウと、その仲間たちです。
いずれも、かつては、野山でふつうに見られた花です。
でも今回、出会えたのは植生保護柵の中。ほんの少し前まで当たり前だったことが、今はそうでないことを、花が、改めて教えてくれた思いがしました。
●リンドウ(竜胆)
秋を迎える頃には、街の花屋さんの軒先に鉢植えが並べられ、美しい姿を間近にできます